不在時に停電!エアコンのスイッチオンどうする?

Gatos Aptは1階が賃貸、2階が我々大家が暮らす賃貸併用住宅で、開業当初から入居者さんと積極的にコミュニケーションを取って来ました。コロナ禍を経て、積極的な交流はとんとなくなりましたが程よい距離感でコミュニティーを形成しています。他人に干渉されたくない、挨拶なんて面倒くさいとご近所付き合いを嫌う方も多い昨今、昔ながらの「長屋」の様なご近所付き合いのできる賃貸は特に都市部においては極めてレアです。今回は程よい近所付き合いのメリットについてお話ししたいと思います。

「大家さん、部屋に入ってエアコンつけてもらえますか?」

以前住まわれていた入居者さんから

「大変申し訳ないのですが、在宅でしたら私の部屋のエアコンをオンにしてもらえますか?」

という内容のLINEが入りました。8月の猛暑日の事、杉並区の一部が停電した日の事でした。外出先で停電のニュースを見た入居者さんが「エアコン切れてないだろうか?」と心配になり冒頭のLINEを送られた、という経緯です。幸いGatos Aptの地区は停電区域ではなかったためエアコンはオンのままでしたが、私が在宅だったので念の為お部屋に入って確認し、エアコンついてました、猫も元気でしたと入居者さんへライン連絡し「安心しました!」と喜んでいただき一件落着しました。

外出時もエアコンつけっぱなしは猫飼いには常識

何の事はないエピソードだと思われる事でしょう。ですが猫飼いには重要なポイントなのです。犬猫は汗腺が肉球と鼻にしかないため、体温調節を上手く出来ない動物です。なので夏場はクーラーが必須となります。一軒家などに住まわれている方は猫が留守中はクーラーを消しても窓を開けっぱなしにして換気に気を遣ったり、と言うことも良くあります。が、都心部の賃貸などは窓を開けっぱなしで外出するのは窃盗の危険性や猫の脱出などリスクが大きいと感じる方が多く、外出時でもエアコンをつけっぱなしにしているのが実情です。上記のLINEはその上で起きた事案なのです。「停電でエアコンが切れたら密閉された部屋にいる猫が熱中症になるかもしれない、けど会社を抜け出して帰宅することは出来ない」と言う「もしも」の自体に見舞われた時、普段の程よい近所付き合いが効果を発揮すると思うのです。大家さんはもちろんのこと、もしお隣や他の部屋の住人と知り合いだったら、ご近所付き合いが多いほどこうした万が一の時にヘルプしてくれる可能性が高まるのです。
「そういう時は管理会社に連絡するんじゃないの?」と言う方もいらっしゃることでしょう。仰る通り!ですが実情は中々難しいです。例えば管理会社に冒頭の様な連絡を入れて実際に部屋までエアコンがついているか確認してくれる会社は少ないと思われます。また大家の経験からこう言う場合の流れをお話ししますと、

入居者→管理会社→大家/賃貸オーナー

一般的な契約ですと、管理会社は入居者からのリクエストをあくまで「一時受け」するだけで、そのまま大家さんに「こんな連絡が来ました」と伝えるだけです。この場合、「入居者さんの部屋に入ってエアコンをオンにしてほしい」と大家さんへ連絡するまで、が管理会社の責務となります。勿論、数多ある管理会社によって様々なサービスが存在し「全部管理会社で完結します!」という所もありますが、当然ながら費用が高くなるので多くの大家さんが必要最低限な契約を結んでいるというのが実情です。管理会社の社員のそれに入居者さんが自分が住んでいる賃貸の管理会社と大家さんがどんな内容の契約を結んでいるかなんて知る由もありません。管理会社に全幅の信頼を置いてしまうのはリスクが高い、という事実を知るべきと思うのです。

猫専用賃貸ならではの助け合い

私が監修する猫専用賃貸の多くは住人同士、住人と大家がLINEグループなどで交流を行っています。「あそこの動物病院は良かった」「近くのホームセンターでシーバを安売りしてる」と言った地域情報の交換から、「来月旅行に行くのでキャットシッティングをお願いしたい」というリクエストまで幅広くコミュニケーションが行われています。「猫を病院に連れて行きたいのでケージに入れる手伝いをしてほしい」というヤンチャな猫を捕まえるお手伝いをしたこともあります。こうした事が可能なのは猫の扱いが分かっている人しか入居していない猫専用賃貸ならではでしょう。
猫を飼うなら猫専用賃貸へ、とお伝えしたいのが山々なのですが極端に少数なのが現実です。これから猫と暮らすための賃貸をお探しの方へいくつかヒントをお教えします。

猫と暮らすための賃貸を探すときご近所付き合いしやすい物件を探す方法

ご近所付き合いがしやすい物件を探すのに確率が高くなる物件ポイントはこちら。

1. ペット可であること
2. 大家さんが同じ建物または敷地内に住んでいる
3. 小規模な賃貸


まず1の「ペット可である」は当たり前ですが、住人は「ペットを飼っている」事が前提になるので、一般の賃貸に比べ共通項があり仲良くなりやすいです。そして大家さんが同じ敷地内に住んでいる物件なら大家↔︎入居者の信頼関係がすでに築かれているのでこうしたお願いをしやすくなります。チャンスがあれば内見の際、大家さんと直接会って話してみてお願い事ができそうな人かどうか、人となりを観察しましょう。そして最後の小規模賃貸をおすすめするのは、中〜大規模よりコミュニケーションが相対的に取りやすいからです。逆に大規模マンションなどに入居される方の中には意図的に近所付き合いをしたくないから、という方が存在するのも事実です。

引越しのご挨拶は意外と効果的

江戸時代の日本では引っ越した際は三件両隣りに引越し蕎麦を配るという風習があったと言います。こんな風習はすっかり廃れてしまいましたが、ちょっとしたお菓子でも持ってご挨拶に伺うのは最初の一歩としてとても良いと思います。お隣にはどういう人が住んでいるのかを知ることは生活をする上でお互いの安心感に繋がります。お隣さんと廊下などですれ違ったり、スーパーでバッタリなんて事も起こる事でしょう。その際にお互い挨拶をして世間話しが出来る仲になるのに最初のご挨拶があるとないとでは雲泥の差が出ます。都市部においては躊躇してしまいがちな行為ですが、勇気を出してお隣さんのドアベルを鳴らして挨拶してみてはいかがでしょうか?

電化製品の遠隔コントロールは簡単に出来ます

「エアコンのON/OFF」、「照明のON/OFF」など単に電化製品を遠隔操作するだけなら、文明の利器を使えば簡単に出来ます。赤外線リモコンが付いた機器をWIFI経由でコントロールするホームオートメーション機器がいくつか発売されています。私のおすすめは、自分でもGatos Aptで使っているSwitchBot社のHub 2です。これがあれば外出先からエアコン、扇風機、ルームライトなどをスマホからオン/オフすることが可能になります。またHub 2自体に温度計、湿度計が付いていて例えば「室温29℃、湿度70%になったら自動でエアコンをオンにする」など条件設定をして自動制御することも可能になります。加えて室内用カメラを設置してスマホから愛猫の様子が分かるようにしておけば安心感がグッと増すと思います。Hub 2自体、¥9,980とお手頃です。この値段で安心感が買えるのであれば安い買い物なのではないでしょうか。
「近隣への挨拶」というアナログ方式と「電化製品の遠隔コントロール」というデジタル方式を混合させたハイブリット方式を取り入れて、ぜひ酷暑への対策を万全にしてください。

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